気持ちは思春期の40代リーマンのブログ

まだ自分探しが終わらない40過ぎオヤジのつれづれ日記

情けは人のためにならず

 

 土曜の昼下がり、貴重な梅雨の合間の晴れで、運動を兼ねて自転車で30分かけて病院へ向かった。家を出てから10分ぐらい、住宅の交差点を通ろうとしていたところ、あれ?交差点の手前で独り言をつぶやきながらぐるぐると歩き回っている女の子がいるではないか。

 独り言の内容は断片的に「だれか・・・教えてくれませんか?」と聞こえて、かなり焦っている表情から、困っていそうな状況にあることは見てすぐわかった。

 いつもなら”知らぬが仏”で通り過ぎて、あとになって「あの子大丈夫だったかな」と心配する情けない行動を取っていたと思う。なぜかこの時は、”いきなり変質者扱いされないよな”と本の一瞬頭をよぎるも、それを遮って、自然に「どうしたの?」と声かけることができた。

 話を聞いてみると、友達と公園で待ち合わせしていたけど、道に迷ってしまって、待合せに間に合わないから焦っていたとのこと(たしかに、この辺の道は入れ組んでいてややこしい。)。ということで、公園の名前を聞いて、連れて行くことに。

 ちょっと距離感を取りつつ、会話しながら進む。

 「何年生?」

 「小学校2年生です。」

 「〇〇小学校?」

 「はい、そうです。」 

 とこんな感じのやりとりをしているとあっという間に公園に着いた。友達を見つけると女の子の表情が一気に花が咲いたように笑顔になって、僕に一礼をして公園の奥へと消えていった。

 ”小学校2年生なのにしっかり敬語が使いこなし、人に助けを求められるのはすごいな”、”帰りは大丈夫かな。もう迷わないよな”とそんなこと思いながら、なんと言えない細やかな充実感を覚えて、ぼくは病院へと急いだ。助けたつもりが実は助けられたのかもしれない。